序章: 図⾯について思うこと
2次元図⾯は、構想を保管する必要が出てきた頃からずっと、コミュニケーションのために利⽤されてきました。と、⼀⾔で⾔っても、非常に⻑い道のりでしたが…
部品を定義するために、⼨法(⼤きさの特徴を⽰す)や注釈を、製造時の許容誤差を明⽰したものである幾何⼨法公差(GD&T)と組み合わせ、設計基準を満たした、経済的な部品を⽣産します。
GD&Tは世界共通⾔語であり、仕様書の作成者や製造エンジニアに理解されるべきです。
最近では、機械CADにおいて、モデルベース定義(Model Based Definition, MBD)が推奨されています。これは、GD&Tをもつ3Dモデルに、製品製造情報(Process Manufacturing Information, PMI)を直接適⽤して、情報をやり取りすることで、2次元図⾯が必要となる場⾯を削減するというものです。
DesignSpark Mechanicalでは、今まで通りの、GD&T記号(アノテーションやエンコードされたセマンティックタイプ)で2次元図⾯を作成することや、セマンティック作成法でエンコードされた記号を⽤いるアメリカの標準である、ASME Y14.5(2009)と、Y14.41をベースにした3D MBDどちらも使⽤可能です。セマンティックエンコーディングは、GD&Tの基本的理論・原則を学習するときや理解するときの助けとなる、正しいシンボルの 形成を⾏ったり、そこまで導いてくれます。
図⾯のアノテーションは、デフォルトのASMEの他、ISO、JIS、GB標準に変更可能です。
多国籍企業や⼤⼿の製造系企業は、非常に効率の良い「データ」の情報経路を持っています。これにより、MBDデータがプロダクトを定義する時間を最⼩限に短縮し、製造過程までの時間を削減します。ただし、⼩規模の製造系企業は、MBDデータを開発する技術的な能⼒を持っていない場合があるため、従来の2次元図⾯や、GD&Tで定義された注記図⾯が、完全な部品を定義するために必要になるでしょう。あくまで想像ですが、当分の間は、部品の図⾯(紙や画像)と3Dモデル(stepファイル)を⼀緒に提出するような⽅法が⼀般的になりそうです。
部品形状を超えた追加情報の必要性
2次元図面には、図面の製造に必要な、補助的な製造情報すべてを追加で定義することが可能です。繊維の方向や、質感、メッキ加工、メッキ後処理、液体ホーニング等の研磨、塗装などといった、部品の材料特性を示す情報は、図面内の注釈や寸法とともに簡単に定義、参照することが可能で、簡単で、明確なコミュニケーションを行うことができるようになり。また、様々な見方(スケーラブル/詳細/断面)の図面によって、個別の、または、関係のある要求事項を強調しやすくなるでしょう。
この記事では、図面の書き方や、記号の描き方については触れません。寸法や公差、GD&T記号の理解や、応用できるような知識が求められます。
Drawing拡張モジュールでできること
- 会社基準の図面フォーマットや繰り返し入力可能なフィールドを持つロゴ、効率的な規格のデータエントリーや記録
- 部品やアセンブリ、寸法、規格記号、工業/国基準のアノテーションを素早く、自動でマルチ、カスタムビューに表示可能。穴テーブル、部品表(BOM)をもとにした自動バルーン配置
- 移動、プルコマンドを使用したモデル結合の際、モデルの作り方に関わらず、寸法を通して部品のサイズ変更が可能
- 部品やアセンブリの断面図から、部品内部の機能(移動/プル/測定)を素早く行うことが可能
- 類似部品から、「名前を付けて保存」でコピーすることにより、素早く新しいドキュメント(図面を含むモデル)を作成可能。
新しいファイル(図面を含むモデル)は、ソースファイル(シードファイル)から作成されるでしょう。単純に、設計を変更する(新しいジオメトリに寸法を記入するときのみ)場合は、「名前を付けて保存」の際にコピーを保存にチェックを付け、異なる名前を付けることで、新しいドキュメント(図面を含んだモデル)が作成されるので、こちらを使うと便利です。
- ねじの生成、ねじ山の描画、規格基準/カスタムの雄ねじ/雌ねじの表面作成、2次元上でのねじ描画、ねじに関する様々なフォーム
一般的なねじ穴のモデリング例 – シェーディングとワイヤフレーム
寸法の記入例
ISO規格外のねじの例。カスタムねじは、谷の径を入力する必要があります。
- セマンティックGD&Tと3Dの寸法、アノテーションを用いたMBDは、3Dモデルに2次元図面を入れることで、データムや調整事項をとても明確にすることができます。様々な2次元図面において再利用も可能です。
寸法位置に関連付いたデータムの作成例
フォーム、フレームの作成、設置、編集例
ビューとストラクチャーツリーにおける、GD&T記号の見え方の例
既存の情報を2次元図面上で再生成し、明確にするために選択されたビューや新しいビューに表示(自動で再配置されます)
寸法とGD&Tを変更し、GD&Tの記号のデータムA、B、Cをハイライトしました。また、線のスタイルと太さのオプションを適用するため、ビューを変更しました。ターゲットで「エッジ」を選択し、線を黒く変更できます。
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