V8.1で追加されたベタの設定について解説します。
いずれかのレイヤにベタを設定する場合、電源層・GND層、いずれも以下のDesign TechnologyダイアログのRuleタブPowerplanes(電源層)設定がデフォルト値として設定されます。
これらの設定は上書きされない限りベタ使用時に適用されます。各々のベタを設定したエリアはベタを注入する前に「Properties」を使用してPCB上でカスタマイズすることができます。
*利用できるオプションが増えたため以前のバージョンのようにベタ設定のウインドウの一部ではなくなりました。専用のウインドウを使用して設定してください。
ベタのプロパティ
ベタを設定したいエリアの境界線をマウスで左クリックしcopper pourを選択し右クリックメニューでプロパティを開きます。プロパティウインドウが表示されるので「Area」タブを選択します。
黄色くハイライトされた領域はDesign TechnologyのRulesからの値から引用され、適用されます。
ベタの注入の仕方をorderに設定したり、ベタのエリアをKeepoutに設定したりするオプションなどこれまでに使えた機能はそのまま利用できます。
Design Spark PCB内のHelpにはすべての機能の詳細が記載されています。
Copper Pour Area Propertiesのインデックスを使用するとさらに詳しい詳細が得られるのでベタ設定に関連する調べたい内容を確認してください。
新バージョンにおけるベタ設定の特徴
特定のベタエリアだけ設定変更したい場合は「Override Design-Level Thermals」にチェックを入れます。プルダウンメニューからスルーホールパッド、表面実装パッド、ビアの設定を変更するを選択します。
無効にしたいものを選択したら「デフォルトを無効にする」チェックボックスを選択し、プルダウンメニューから無効にしたいものを選択します。
リストの各オプションについては値ボックスで設定することができ項目に適した値だけが太字で表示されており編集することができます。ここでOrthogonal Spokesはすべての値を上書きできるので黄色のハイライト部分をユーザー好みの設定に変更できます。
オプションの説明:
- Orthogonal and Angled Spokes(直交および角度のある幅)ーこれらのスポークは選択した数のスポークを生成する目的で出現し、少なくとも設定された最小数のスポークが設定されなければなりません。もしスポーク数(幅)が最小よりも小さい場合はパッドが孤立してしまいます。パッドが孤立していないかチェックしてください。
- 直交および角度のあるスポークが「望ましい」ー望ましいスタイルを使用して最低限の数のスポークを追加する事を意味し、それ以外の場合は異なるスタイル(角度)に変更しその変更したスポーク(幅)は最小よりも大きいものにしてください。
- ベタから分離(ベタを孤島にする)ー例えばGNDネット上のパッドがGNDベタに接続されないようにします。これにより特定の信号または接地の要件を満たすことができます。
- 孤立しない(埋め込まれている)ーベタは同じネットパッドを導通させます(浸します)。それはPCB上から見えにくくなりますが生産・出荷後にはドリル加工後に設定が適用されているのが分かります。
- 隣接(タッチ)ービューの穴が表示されるようにパッドの端に注ぎます
ベタの設定はより柔軟になりました。ベタエリアを重ねて塗りつぶすように使用し、その順序を設定することでより複雑な要件を達成することができます。
この柔軟性の向上に伴い重要なポイントは(詳細はHelpへ)カスタム設定をリセットする方法です。Override Design Level Thermalsチェックボックスのチェックを外して再チェックすることでそのエリアに設定されている値を更新することができます。これにより新しい値がデザインレベルからベタ設定にコピーされローカルのオーバーライド値を再び設定できるようになります。
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