バックアノテーション(Back Annotation)とは、基板レイアウト設計時に、ネット名や部品の参照名が手動で変更された際に(部品名の場合は自動)、それらの変更をオリジナルの回路図に反映させるためのものです。この機能は、Main Menu>Tools>Back Annotationから使用することができます。なお、配線変更やその他の変更は、回路図で行った後に基板レイアウト上に反映させる必要がある点に注意してください。また、一度、基板レイアウトの修正を回路図に反映させると、元に戻すことはできません。基板レイアウト上で行われた変更は、同じファイル名の回路図に自動的に保存されます。
もし、変更したファイルがプロジェクトとして登録されていない場合、同じディレクトリ内の同じ名前のファイル(拡張子以外)の回路図・レイアウト図同士が関連付けされます。例えば、同じディレクトリにある「Digital1.pcb」と「Digital1.sch」というファイルは、バックアノテーション(またはその他の関連付けプロセス)の際に自動で関連付けられます。しかし、「Digital1Design.pcb」 と 「Digital1Schematic.sch」 だった場合、これらは関連付けられません。この場合は、ファイル名を「Digital1.pcb」「Digital1.sch」のように変更することによって、関連付けるようになります。
一方、ファイルがプロジェクトに登録されている場合は、異なる名前であっても回路図とプリント基板を関連付けることができます。
バックアノテーションは、回路図エディタやプリント基板エディタ、またはプロジェクトを開いた際に、Tools>Back Annotationを選択することで起動します。関連する回路図やプロジェクトが存在しない状況下で、プリント基板エディタからバックアノテーションを起動した場合は、システムが自動的にバックアノテーションを行う準備をします。
View Renames: バックアノテーションを行う前に、名称変更のリストを確認します。
Delete Renames: 回路図に名称変更を反映させる必要がない場合に選択します。既に手動で反映させている場合はこちらを選択してください。これにより、プリント基板の名称変更リストが削除されます。削除を行う前に警告が表示されます。
回路図に反映・変更を行わない場合はCancelを選択します。
変更を適用する場合はOKを選択します。View RenamesおよびOKをクリックした場合、回路図を変更するためのプログラムによって行われる変更の手順が、レポートとして次のように表示されます。
Back Annotation Renames Report
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Report Written : Thursday, October 06, 2008
Design Path : C:\Examples\Design.pcb
Design Title :
Created : 06/10/08 10:48:00
Last Saved : 06/10/08 11:00:59
Editing Time : 40 min
Outstanding PCB renames awaiting back annotation to the Schematics design(s).
Rename Component from "U2" to "U1".
Rename Component from "U1" to "U2".
End Of Report.
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次に、バックアノテーションの変更を確認するためのダイアログが表示されます。変更をキャンセルすることができる最後のステップです。バックアノテーションは、回路図と基板レイアウトを統合してしまうため、一度変更が行われてしまうと、Undo機能でもとに戻すことはできません。回路図への変更が完了したのち保存をしてください。
バックアノテーションは、基板レイアウトにおける配線名の変更、automatic component rename、部品の変更などを行った際、回路図を変更する前に使用してください。バックアノテーションによる変更が回路図上で保留になっている状態で、Forward Design Changesを適用した場合、バックアノテーションを先に適用するように促されます。
バックアノテーションが必要な変更を行わなかった場合、回路図とプリント基板が一致しなくなる場合がある点に注意してください。
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