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【追記 2022年3月17日】 Web上で使えるオンラインGerberビュワーを公開しました。
ここでは、基板CAD初心者の方に、DesignSpark PCBの一通りの使用方法(回路図作成からプリント基板設計まで)を、全4回のシリーズに分けてご紹介します。最終回である第4回ではプリント基板の製造に必要なガーバーファイルの出力方法や、使用部品の見積もり入手、その他の機能について解説していきます。
3D表示
DesignSpark PCBには、部品を実装した基板の状態を3D表示する機能が備わっています。前回作成したデータを利用して、3D表示してみましょう。[3D]メニューから、[3D View...]を選択します。
すると、基板が3D表示されます。画面をドラッグすることで表示を回転させることができます。
当然、裏面のパターンを確認することもできます。
基板製造の見積もり・ガーバーファイルの出力
ガーバーファイルの出力
ガーバーファイルは、基板製造の発注などで標準的に用いられている規格です。DesignSpark PCBでガーバーファイルを出力してみましょう。
[Output]メニューから、[Manufacturing Plots...]を選択します。
すると、設定ウインドウが開きます。左上、[Auto-Gen Plots...]ボタンをクリックします。
次のウインドウが出るので、[Gerber]をクリックします。
このウインドウでは、下線部のチェックボックスをすべてチェックし、[OK]を選択します。
再び、設定画面に戻ります。次に基板外形用のプロットを追加し、基板外形データを割り当てます。まず上部メニューの「Add Plot」をクリック、ダイアログ上の「Gerber」をクリックします。
すると左のPlot一覧に「Plot1」という新しいプロットが作成されます。このプロットの名称を変更したいので、「Plot1」をクリックし画面中央の「Plot Name」で「Outline」という名称に変更します。次に上部のタブの「Layers」タブをクリックし「Board Outline」のSelected欄の”N”をダブルクリックして”Y”に変更します。最後に右下の「Run」ボタンをクリックします。
すると、設計ファイルを保存している場所に、次のような形でガーバーファイルが生成されています。
こちらのGerberビュワーで表示に問題がないことを確認した後、
それらをプリント基板製造業者の仕様に合わせて、送ることで実際のプリント基板を作成することができます。
部品の見積もり・手配
基板手配の完了でひと段落するのはちょっと待ってください。
実際にプリント基板を動作させるためには基板だけでなく電子部品を入手する必要があります。実はこの部品手配にとても手間取ります。検索で販売店を見つけたとしてもすぐに買えるとは限りません。電子部品にはMOQ(最低発注数量)が設定されている事が多く、MOQ 1,000個以上ということも少なくありません。さらにMOQが少なくても納期に3ヶ月ということもあります。お金や時間を無駄にしないために、部品を変更、設計し直しということもよくあります。
しかしここで DesignSpark PCBの機能をうまく利用することにより、より効率的に部品手配ができるようになります。
BOM QUOTE(部品見積もり機能)
DesignSpark PCBでは、RSオンラインのDBを利用して、部品を一括で見積もることができます。基板の設計が終了したら、右上、[BOM Quote]を選択してください。
すると下のウィンドウに簡易的な部品リストが表示されます。このリストでは部品の単価を「RS Price」列に、国内在庫数を「In Stock」列に、それぞれ見ることができます。
さらに ボタンをクリックすると、自動的にブラウザが開き、該当する部品をRSオンラインの見積書画面でみることができます。
以下の見積もり画面では、使用部品に該当する部品の一覧を確認することができます。RSオンラインでは同一メーカ品番であっても、MOQや梱包形態で複数のオーダー番号が存在するので、リストアップされた部品で、梱包形態やMOQが適合しているか確認し、右下の赤いボタン[「この部品でOK」した部品のみを注文書に追加 >>]をクリックします。
すると、注文書画面があらわれます。この画面では使用部品の単価、国内在庫数、海外在庫数、MOQ、梱包形態、目安納期、合計金額を確認することができます。そのままRSへ発注することもできますし、BOMリストとしてダウンロードし社内の購買部門に手配依頼をかけることもできます。
なにより、設計の初期にこの作業で入手しやすい部品を選定しておけば、のちのち入手困難な部品で設計手戻りなどを減らすことができます。
BOM(Bill Of Material: 部品表)の生成
上記の見積もり以外にも、部品の一覧を記載した部品表(BOM)を出力することもできます。[Output]メニューから[Reports...]を選択します。
Reportsウインドウが開きますので、[Bill Of Materials]を選択し、[Run]をクリックします。
次のような、部品表のcsvファイルが生成されます。
以上で、クイックスタートガイドとしてご紹介する一通りの操作方法をみることができました。
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